介護資格に対する関心度の推移は?

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高齢化が進む日本を支えるうえで、非常に重要度が高い介護職。人材獲得のため、待遇改善等の施策が実施されていますが、まだまだ人手が不足しているのが現状です。実際のところ、介護資格や介護職に対する意識は改善しているのでしょうか?
今回は、資料請求サイトBrushUP学びにおける過去10年間の資料請求データから、介護資格に対する関心度の推移を見ていきたいと思います。

介護系資格の関心度推移 全体

介護系資格の中でも、人気や重要度が高い「介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)」「実務者研修」「介護福祉士」「ケアマネジャー(介護支援専門員)」「介護事務」の5つの資格の過去10年間の資料請求推移をまとめたのが上の図です。
2007年当初と比べると、5資格全てで資料請求数が増加しており、介護資格に対する関心度の高まりが伺えます。
特に、2012年から始まった「実務者研修」と、介護の入門資格という位置づけの「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」の伸びが顕著です。

介護系資格の関心度推移 年代別


2008年当時は20代、30代の資料請求数が多く、それに比べると40代以降の数値は低めでした。しかし2012年には40代が逆転。その後も40代の伸び率が高い状況は続き、2014年~2016年時点で全年代でトップの関心度となっています。次いで30代⇒20代の順番に。また4位の50代の伸びも見逃せません。前年代を通してみると、40代以降の中高年世代の関心度の高まりが目立ちます。

40代以降の勢いを把握するため「10代~30代」と「40代~60代以上」で3世代ごとの比較をしてみると、2012~2014年の間に両者の資料請求数は逆転しています。

この中高年層の介護資格に対する関心度の高まりは、介護の現場にも表れています。公益財団法人介護労働安定センターが行った調査によると、2007年、介護労働者の平均年齢は42.5歳。これが2016年には46.8歳へと上昇しています。全体の高齢化が進んでいるということもありますが、新しく介護職に携わろうという方も多いのではと予想されます。

加えて、中高年層は親が要介護になりやすい世代のため、仕事にするというより親のために取りたいと考える層が多いこともこの結果につながっているでしょう。

介護系資格の関心度推移 個々の資格別

各年代とも順調に関心度が高まっていますが、2012~2014年をピークに10代~30代は減少傾向に。一方40代以上は右肩上がりで推移しています。
これは、先程もお伝えしたとおり、40代以降で介護職にチャレンジしたいと考える方が増えてきていることや、親の介護のために少しでも知識やスキルを身に着けたいと検討されていることを表しています。


2012年から始まった実務者研修。主に20代~50代が取得を検討しています。特に40代・30代は2016年時点で初任者研修の請求者数を上回っており、スキルアップに対する関心の高さが伺えます。


介護業務に特化した資格の中では、唯一の国家資格である介護福祉士。2012年-2014年でピークを迎えていますが、以降は下降気味。介護福祉士の質の担保のため受験資格が厳格化したことが主な要因とみられています。実際、2017年1月に実施された試験では、受験者数が前年度の15万人⇒7万人と半減してしまいました。


ケアマネジャーは2015年度試験から指定資格取得者への科目免除が廃止、2018年からは受験資格が難化するなど、受験に対するハードルが高くなっています。それに対応して2012年から特に資料請求数が増加。受験資格が変わらないうちに、という駆け込み目的であると考えられます。
また実務経験が要求される上位資格のため、40代-50代の方の取得意欲が高くなっています。


介護業界は需要が高そう、けど介助は自分には無理かも…そんな方からのニーズを集める介護事務。パート勤務可といった柔軟な勤務体系から、家庭と両立したいと考える主婦層に人気があります。取得が目指せる講座は受講料3万円台から、期間は1ヶ月程度など、比較的挑戦しやすいところも受けている理由の一つでしょう。

(BrushUP学び 2007年~2016年 年間資料請求数より算出)

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