共働き世帯が増えているのに世帯収入は増えていない?女性の就労環境を問う

共働き世帯
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2000年、専業主婦世帯916万世帯に対し共働き世帯942万世帯と、共働き世帯が50%を越えてから早20年。2019年には共働き世帯の割合が68.4%となり、いよいよ70%代に突入しようとしています。

※参照:厚生労働省「厚生労働白書」、内閣府「男女共同参画白書」、 総務省「労働力調査特別調査」、総務省「労働力調査(詳細集計)」

1980年高度成長期の真っ只中、専業主婦世帯が共働き世帯のおよそ2倍を占めていました。そして1985年には「男女雇用機会均等法」が成立し翌年から施行。さらにその後「育児休業法」「パートタイム労働法」、そして2015年女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、すなわち「女性活躍推進法」が成立し、女性の社会進出を後押しする動きが活発化しました。
その結果、期待されるのは「労働人口の増加」と「世帯収入の増加」。さらには国家を支える「税収の増加」です。
では、共働き世帯の増加によりどのような変化があったのかを見ていきましょう。

女性労働人口が増えている反面、男性労働人口は減少

このグラフは、2000年から2019年までの男女の労働人口を示したものです。2000年は男性4,020万人/女性2,749万人だったものが、2019年には男性3,810万人/女性3,033万人と、女性の労働人口は約280万人増、男性は約210万人減となっています。よって女性労働人口が増えているにも関わらず、総労働人口は微弱程度しか増えていません

20年前とほとんど変化のない世帯収入

このグラフを見てすぐに気が付くのは、若干落ち込む時期はあったものの、20年前とほとんど変わらないということです。長引く景気低迷が影響していることももちろんありますが、この現状は共働き世帯の増加と比較した場合、乖離しているようにも感じます。

「子育ては女性の仕事」という意識が妨げる女性の社会進出

「男女雇用機会均等法」からはじまり、女性の社会進出を後押しする制度や環境はまだまだ万全とは言えない状況までも改善されてきています。産休・育休制度等の企業の取り組み、国が推奨する男性の育休取得など、働く環境に対する取り組みはさまざまなところで少しずつ進んでいるように感じます。しかしながら、根底にある「子育ては女性の仕事」という意識が女性の働く意欲、キャリアアップへの意識を妨げているという現状も否めません。それがすなわち働く女性が増えても、世帯収入が増えない一端でもあるのではないでしょうか。「子育てと両立をしながら家族に負担をかけずに仕事をしたい」とパートや派遣社員を選ぶ主婦も少なくありません。また、産休・育休明けは時短や契約社員にという方も。となると給与はどうでしょう。減給し、昇格も難しいかもしれません。

主婦が社会復帰する理由の大半は「生活のため」という結果※もあります。しかしながら、きっかけは「生活のため」であっても、やりがいを持って仕事ができれば、本人だけではなく職場や周囲にも良い結果をもたらすことでしょう。そしてそれが正当に評価され、給与に反映されれば、さらに意欲的に仕事ができるはずです。

共働き世帯とともに世帯収入を増やすには「子育て」に対する意識改革が必要

共働き世帯が増えたのに世帯収入が増えない、すなわちそれは税収も増えないということにつながります。さらに超高齢化社会に突入した今、女性の労働力は今後ますます必要とされます。国と企業、そして社会がもっと広い視野で女性の就労環境について考え、「子育て」を含めた意識から変えていく必要があるのかもしれません。

※専業主婦514名に仕事復帰に関する意識調査

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