保育士を目指す人10年間で4.6倍に!40~50代激増の理由は? 

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保育士を目指す養成講座の資料請求者数はこの10年間で4.6倍と大幅に増加し、2011年以降は人気資格5位以内の常連に。現在も右肩上がりで増え続けています。
なぜ、保育士は多くの人が目指す職業となったのか、待機児童問題を背景に保育士を取り巻く状況変化から読み取っていきます。

 

社会的な人材不足を背景に保育士を目指す人が増加

保育士の有効求人倍率UPに連動

保育士を目指す人の増加(上記グラフ「保育士養成講座の資料請求数 推移」参照)は、首都圏を中心にいまだ解消しない保育士不足を色濃く反映しています。下記グラフ「保育士の有効求人倍率の推移」と比べると、2011年(平成23年)以降、毎年増え続ける保育士求人数(有効求人倍率)にほぼ連動していることがわかります。

出典:厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計) ※各年度において最も有効求人倍率の高かった数値を記載

2011年1月時点で保育士の有効求人倍率は1.36倍(全職種平均は0.61倍)。以降、保育士の有効求人倍率は高い水準で推移。2016年11 月には2.34倍(東京都は5.68倍)を記録。

国の保育士処遇改善策があと押し

保育士確保のために国や自治体、民間保育所が急ピッチで進めている保育士処遇改善対策も、保育士を目指す人の増加を後押ししています。 2015年4月施行の「子ども・子育て支援新制度」以降、毎年新たな処遇改善策が実行されています。

2017年度  国が施行した 主な保育士処遇改善策

  • 全保育士の月給アップ
    :約6,000円の手当付与。2012年度と比べると月額約32,000円程度処遇が改善
  • 中堅保育士向け役職の創設
    :対象者には月額最高40,000円付与

2017年度  東京都が施行した 主な保育士処遇改善策

  • 給与補助の増額
    :平成27年度から行っている月額2万3千円の補助に加え、平成29年度より「保育士等キャリアアップ補助金」として新たに月額2万1千円を増額
  • 家賃補助
    :最大8万2000円 対象者を「採用5年目以内」から「全保育士」に拡大

 

保育士を目指す人の年齢層が拡大。50代も目指せる理由とは?

かつて保育士は新卒の若年層が就くイメージがありましたが、この10年で大きく変容。人数の増加だけでなく、年齢層の幅も大きく広がっています。20~40代を中心に、年齢に関係なく目指す職業に変化した理由は何でしょうか。

2007年当時の ボリュームゾーンは圧倒的に20代(54.71%)で、40代は1割未満であった。2011年以降に30代と40代が激増。2012年の時点で30代が20代を上回り、2017年には40代が全体比率のトップ(31.78%)となった。

保育士資格は何才でも取得できる

保育士の資格取得に対象年齢制限はありません。子育て経験のある人は即戦力になるほか、「保護者対応」や「書類業務」におけるIT化、業務効率化については他業種の経験を活かすことができます。

資格が取得しやすい(資格取得支援が充実している)

保育士試験は合格率25.8%と難関。学科に加えて実技(ピアノや読み聞かせ)があるため、十分な対策が必要です。

この試験対策を支援するため、国は新たな制度「資格取得のための修学費用の補助金支給」、幼稚園教諭や小学校教諭の免許を持っている人が保育士試験を受ける場合の「科目免除特例制度」などを施行。通信制大学や民間の試験対策通信講座が増えたことも後押しとなっていると考えられます。

■国が施行した保育士資格取得支援制度

自治体から資格取得費用の補助金が支給される
保育士試験を合格して資格を取得した人には経費の1/2を補助、保育士養成施設を修了して資格を取得した人には最大2年間で計160万円を貸付ける制度

科目免除がある
幼稚園教諭の免許持っている人で実務経験が3年以上ある場合、保育士試験の受験科目免除の特例制度(期間限定)

時短勤務の正社員雇用が増え始めている

30~40代の保育士は自らも子供を持つ世代。子どもの送迎などで勤務可能な時間が限られるため、保育の仕事をしたくても希望条件に合う求人がないというジレンマがありました。
そこで保育所サイドでは、「正社員時短制度」などを導入。時短勤務の正社員保育士を募集する求人が増え始めています。

このような、「働きたくても家庭の両立が問題で働けない潜在保育士の方にも勤務してもらうため」の動きは現在進行形で進められています。最近ではベビーシッター代を保育園側が補助する民間企業園も登場しました。

 

今後も保育士需要は増える見込み

2017年4月時点の待機児童数は26,081人。2018年度より「保護者が育児休業中」でも復職の意思があれば含めると定義されるため、待機児童数は更に膨らむ可能性があり、政府は2020年度末までに待機児童を解消する新たな計画を打ち出す方針です。

保育士の需要は引き続き高い水準で推移し、保育士の処遇改善、働きやすい環境の整備も今後益々進むことが予想されます。

 

 

 

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