10年間の学びトレンド変化「難関資格」から「就職直結資格」へ

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「学び」のトレンドはこの10年、どのように変化してきたのでしょうか?
2007年~2016年の資格ランキング推移を分析すると、この10年で「長期・自己投資型の難関資格」から、「短期で取得できる就職直結型の資格」へと移行していることが見えてきました。

2007年、2012年、2016年の年間総合ランキングキングを比較

2007年の学び動向:長い将来を見据えた投資型

2007年当時は、受講時間や費用、難易度も高めの国家資格や、人気のネイルの中でもプロを目指す講座が人気。学びに長い目で自己投資する傾向がありました。

費用も時間もかかる難関「士業系」資格の人気

2007年の人気資格ランキングでは、上位15位以内に行政書士や中小企業診断士、司法書士、社会保険労務士といったいわゆる「士業系」国家資格が軒並みランクイン。これらは難易度が高いため学習期間が1年以上と長く、受講費用も数十万円と高額です。

実際にその道の専門職として就転職や独立開業を目指す人だけでなく、国家資格であることの信用性や、取得によって身に付けられる知識の凡庸性の高さから、見識や現在の仕事の幅を拡げたいといった自己成長を目的に学ぶケースも多く、「自己投資型の学び」といえます。

ネイルは「プロを目指す本格志向講座」が人気

同時期は空前のネイルブーム。学びにおいてもネイルは2007年以降5年間、ランキング1位を独占しました。2007年当時の人気講座は「プロのネイリストを目指す」コース。受講期間1~2年、受講料は年額60~100万円以上と高額で、講座内容が本格志向であるほど好まれる傾向がありました。

この背景には、ネイルサロンの急増と共に有資格者求人が増えたことや、独立開業したカリスマネイリストが続々とマスメディアで取り上げられるなど、新たな女性活躍の道として一躍人気職業になったことが挙げられます。自分の好きなこと、憧れの職業に就くための自己投資型の学び傾向と言えます。

 

2012年の学び動向:就職直結の短期型に移行

2009年に有効求人倍率は0.38%まで減少。リーマンショックは学びトレンドにも大きな変化をもたらしました。ランキング常連だった士業系資格やネイルに替わって上昇したのは、安価&短期間の受講で取得しやすく、かつ社会的な人材不足のため就業に直結する資格でした。

ネイル、行政書士、ホームヘルパー2級(介護職員初任者研修)、リンパドレナージュの10年間の資料請求数推移

 

求人激増と資格の取りやすさでホームヘルパーが人気No.1資格へ

2011年、ネイルに変わり人気資格ランキング1位に躍り出たのが、ホームヘルパー2級(法改正により現在は「介護職員初任者研修」)です。
全国的に有効求人倍率が低迷する中で、介護分野の2011年有効求人倍率は1.58%と増加。加えて、規程130時間のカリキュラムの履修で取得できる「資格の取りやすさ」から受講希望者が急増。更に2012年には介護法改正の影響による駆け込み受講(改正後に必修科目が増えるため)が発生しました。

癒し施術系資格が人気に

2011年はリンパドレナージュ、整体、リフレクソロジーといった、癒し系の施術スキルがランクイン。矢野経済研究所の調査によると、ボディケア・リフレクソロジー市場規模は2012年に1,000億円を突破。施術を行なうセラピストの人材需要が高まり、修了後に系列店に就業できるサロン直営スクールも増えたことが要因です。

 

2016年以降の新たな傾向は?

2017年の最新ランキングでも引き続き介護関連資格が上位を占めており、初任者研修以外の上位資格も大きく伸びています。また介護以外にも、登録販売者や心理カウンセラーなど、社会的人材需要の高い職業の関連資格に人気が集まる傾向は今後も続くとみられます。

2017年上半期の人気資格ランキング

社会的人材需要を背景に新設された公的資格に人気が集まる

近年は実務者研修やケアマネジャーなど、介護の上位資格も人気が伸びています。介護業界でキャリアアップを目指す人が増えていることを裏付けており、今後もこの傾向は続くとみられます。

介護と同様に、薬局やドラッグストアの「薬剤師不足」を受けて2009年6月の薬事法改正によって誕生した「登録販売者」が2015年からランクイン。一般用医薬品の販売を行うための専門資格で、薬剤師の業務の一部を補うことができます。

社会不安、ストレス社会に伴うメンタルケア求人需要増。

震災のあった2011年から人気が上昇した心理カウンセラー。企業のメンタルヘルスの義務化により雇用が見込まれるほか、2017年に公認心理師法が施行され、心理資格では初の国家資格「公認心理師」の創設が決定したことも後押しとなっています。2018年には公認心理師の国家試験が実施されるため、ますます増加していくでしょう。

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