世代別学び意欲の推移は?「学び世代」は20代から40代へ

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過去10年間の学びトレンド分析の第2弾。2007年~2016年の10年間で、世代や性別ごとの「学び意欲」はどのように変わったのでしょうか?資格情報サイト「BrushUP学び」の資料請求動向から、学びに興味関心を寄せる世代が”20代”から”40代”へと推移していることが分かりました。

学び世代はここ10年で20代女性から40代女性へ移行

2007年時点で、学びに一番関心を持っていたのは20代女性でした。しかし2012年、資料請求数は一気に減少。その後も2014年まで下降を続け、2015年からは微増となったものの、2016年の数値はピーク時の2009年と比べると半減しています。

20代女性の平均年収はここ十年で大きな変化はありませんが(国税庁「民間給与実態統計調査」より)、30歳未満女性の単身勤労者世帯の可処分所得は2009年から2014年の間で約3万程度減少しています(総務省「全国消費実態調査」より)。そのため、学びに対する優先度が低下してしまったと考えられます。また、20代女性に人気が高かった「ネイル」資格は、比較的講座単価が高いため、投資が難しくなったのでしょう。

一方、現在の学び市場を牽引しているは40代女性です。資料請求数は2007年から2016年まで右肩上がりに増加し続け、10年間で約7倍増加しました。
増加要因の1つが、「初任者研修」や「実務者研修」などの福祉分野に対する関心の高まりです。年齢が高くなると就業が難しくなる現在の労働市場の中で、確実に就業につながる分野であることが受け、40代世代の人気が集中しています。
また親の介護を意識する年齢に入ってくるため、自分や配偶者の親の介護につなげるために、という狙いもあるでしょう。

若い世代が伸び悩む中、定年後を意識した50代以降が増加中

20代だけでなく、より若い10代の資料請求数も減少傾向にあります。2016年度は若干持ち直していますが、資料請求数の世代別割合を見ると、「2007年:7%⇒2012年:6%⇒2016年:4%」と右肩下がり。学び市場において若い世代の影響力が徐々に低下していることが分かります。

一方50代、60代以上の資料請求数は増加。2007年からの10年で、50代・60代以上ともに約7倍という伸びを見せました。
2016年時点の世代別割合は「50代:13% 60代:3%」と現時点で大きなインパクトはありませんが、高齢化や、リストラ、年金等の不安のため「働き続けられる資格をとる」層が増加することを考えると、50代以降の学び意欲はますます高まり、学び市場での重要度が高まっていくことが予想されます。

世代別 学びトレンド概略

10代…「憧れ」資格人気から一転、堅実志向に


ネイル・メイク・ブライダル・ファッションデザイナー・ジュエリーデザイナー・トリマー等、ビューティー、ファッション、アニマル系のいわゆる「女性の憧れ」的資格が人気でした。
しかし、徐々にそういった資格に対する興味は減少。2007年は上位20資格中7資格を「憧れ」資格が占めましたが、2016年にはネイルのみが4位にランクインという結果に。

人気が徐々に上昇してきたのは、「介護職員初任者研修」や「警察・消防」、「地方公務員」といった就職に直結する資格。憧れの職業につきたい!という志向から、安定して確実に仕事に就きたい!という志向へのシフトが見て取れます。

20代女性…堅実志向は高まるも、安定したネイル人気


20代女性の学び志向として最も特徴的なのが「ネイル人気」でした。2007-2014年までは資料請求数1位を独占し、まさにネイルの独壇場。2015-2016年は1位を保育士に譲るも、3位にランクインとなりました。
他の世代は順位、請求数共に早々に落ち込んだことを考えると、20代にとって「ネイル」資格は根強い魅力をもった資格といえるでしょう。

30代女性…保育士や初任者研修等、福祉系資格が上昇


2011年まではネイルがトップ資格でしたが、2012年以降は順位は高いものの件数を大きく落とし、人気に陰りが見られました。
とってかわったのは保育士や初任者研修等の福祉系資格。特に待機児童問題が取りざたされ、2015年以降は資料請求数1位に。

保育士というと、「養成校⇒卒業とともに資格取得」というルートが一般的であり、10代でないと資格がとれないのでは、というイメージが持たれていました。しかし、需要の増加から「保育士試験合格⇒資格取得」ルートも周知されるようになり、仕事や家庭と両立させながら資格をとる必要がある30代女性獲得につながりました。

40代女性…安定して「就業直結資格」が強い


介護職員初任者研修(ホームヘルパー)等の福祉系就業直結資格が安定して人気があり、40代は一貫して「確実に就業につながる資格がとりたい」という希望をもっていることが分かります。
2011~2015年までは介護職員初任者研修(ホームヘルパー)が1位でしたが、2016年には実務者研修が1位となり、キャリアアップ志向も見て取れます。

20-40代男性…士業系から就業系に推移


士業系の人気が強かったが、徐々に福祉や公務員系などの就職直結資格にシフトしていきました。2007年時点では、上位20資格の全体資料請求のうち士業系が5割を占めていましたが、2016年には2割に減少。
士業系の就職難や、必ずしも高収入を得られるわけでは無い現実が広まるにつれ、高い授業料や長い時間を投資することが敬遠されてきていることが伺えます。

50代…定年後を見越した資格が人気に


2008年から一貫して、介護職員初任者研修(ホームヘルパー)が1位。
「実務者研修」「ケアマネ」というキャリアアップ系資格も徐々に人気が高まっていますが、40代の結果と比べると順位が低いことから、どちらかというと「新たに資格をとって仕事につなげたい」という層が多いことが分かります。
また、40代同様に親の介護のために資格をとるパターンもあるでしょう。

60代…人生経験が活かせる「日本語教師」に注目


他の世代に比べ、「日本語教師」の人気が高くなっています。定年や第2の人生を迎え、「これまでの人生経験を生かして仕事をしたい」という考えから選択されていると思われます。

(BrushUP学び 2007年~2016年 年間資料請求数より算出)

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